「新しい年度を迎えて」 史料ネット事務局長・藤田明良
5月の連休、ニュースの画面は、大地震で出来た断層を一目見ようと、明石海峡大橋 のたもとのメモリアル施設に詰めかけた人々を、映しています。多額の費用を投じた巨 大な展示館に対して、疑問がないわけではありませんが、凄絶な自然の営為をまるごと 後世に残そうという、地質学者たちの執念がここにはあります。人間の営みを対象とす る歴史研究者として、この大震災によっておきた様々なことを未来に伝えるために、ど うすればよいのか、何ができるのか、考えさせられます。
地震から5年目をむかえる今年度は、阪神大震災対策歴史学会連絡会(史料ネット) にとっても節目の年であり、活動形態や運営体制について見直しをすすめ、次年度以降 のあり方について、結論を出さなければなりません。一方で当面の課題としては、1)救 出保全史料の整理を進め保管体制の目途をつけること、2)災害に対する歴史学会の取り 組みとして、今回の活動がどこまで出来て何が足りなかったのかを明確にしておくこと、 3)文化遺産や震災体験の保全に向けた行政や市民の活動に、専門家がサポートできるよ うにすること、などがあります。このうち2)については現在、活動報告集を編集中であ り、また5月に大阪、9月に東京で、大阪歴史科学協議会や歴史学研究会の例会という 形で、議論の場を設けていますので、多くの皆さんの参加・発言をお願いします。
最後に、活動を支える資金カンパについて、従来から関係学会の大会会場等で袋をま わす募金方式と郵便振り込み方式を併用していましたが、今年度は郵便振り込み方式を 基本に受け付けていく予定ですので、よろしくお願いします。またあわせて、年4回発 行しているニュースレターも、ぜひ購読してください。
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(辻川)